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映画「E.T.」で世界へ
飛ぶぞ自転車
日本製BMX
- 日刊スポーツ
- 昭和57年（1982）9月6日 月曜日
━━━スピルバーグ監督のSF大作
- ET自転車、世界を駈ける！わずか2ヶ月間で500億円を稼いだアメリカの人気監督スチーブン・スピルバーグの映画「E.T（EXTRATERRESTRAIL）」の重要場面に日本製の自転車が採用されて、いまや世界中の話題になっている。大阪の桑原商会製造のBMXだが、同映画に採用されたおかげで国の内外から注文が殺到。既に増産態勢に入っているが、桑原拓男社長（39）は「年商4割増は固い」と、いやもう笑が止まらない。世の中、何が金の卵に…。
- スピルバーグ監督からご指名があったのは昨年2月だった。早速、50台を送ったが、こんな結果になるとは思いませんでしたね。今年は映画の自転車、BMX（1台5万円）を昨年の倍の6万台生産するほか、タイトル使用を許されたので、新しくET号（1台75000円）の作って需要に応じたいと思っています」とは大阪市東成区大今里に本社を持つ桑原商会の桑原拓男社長。
- 同社は大正8年に設立し桑原社長は3代目。資本金5千万。従業員70人の中小企業。昨年度の総生産台数は17万台がその98％が輸出だから国内ではほとんど知られていない。その「E.T」にBMXが採用されたとガ然、世界の脚光を浴びることとなったのだ。年商50億だが来年は70億円を突破するだろう。
━━━E.T.
- 満天に、星の輝くある夜、森に囲まれた人けのない草原に不思議な飛行物体が着陸した。ハッチが開き、姿を現したのは宇宙からの訪問客たちだ。手に手に旧式の調査器具をもって注意深く周囲の様子を調べ始めたが、車のエンジンの音やヘッドライトなどに危険を感じた彼らは離陸してしまう。たった一人、植物に興味を持って遠くまで行った宇宙人が置き去りにされてしまうのだ。それからETを発見した少年とETとの愛の交流が始まり、少年によってETは再び自分の星に帰る。制作費1800万ドル。（約40億）。日本でも120億円の興収を狙っている。